技術・人文知識・国際業務は、就労を目的とする在留資格の中では最もポピュラーな在留資格です。
現在、約29万人おり、主にホワイトカラー的な業務を許可されています。

Engineer/Specialist in Humanities/International Services Visa

■技術・人文知識・国際業務とはどんな資格?(在留資格該当性)

本邦の公私の機関との契約に基づいて行う
・理学,工学その他の自然科学の分野 に属する技術若しくは知識を要する業務
・法律学,経済学,社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務
外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動
※教授,芸術,報道,経営・管理,法律・会計業務,医療,研究,教育,企業内転勤,介護,興行の項に掲げる活動を除く。

・・・とされています。
簡単に言うと、専門的な知識・技術を必要とするホワイトカラー的な業務を指します。
オフィスワーク全般が該当すると考えていただいてよいでしょう。

■技術・人文知識・国際業務はどのような仕事ができる?

技人国で就労可能な職種・業種はおおむね以下の通りです。

・ITエンジニア
・海外貿易取引営業職
・外国人材専門人事担当
・機械工学の技術者
・デザイナー
・通訳・翻訳者
・語学講師(語学学校など。いわゆる小・中・高校・大学等の教育機関での語学教師はできません)

■技術・人文知識・国際業務の取得する要件は?(上陸許可基準適合性)

自然科学又は人文科学の技術・知識、外国人としての感受性等の必要な業務内容であること
②職務に関連する学歴又は職歴を有していること
<自然科学又は人文科学の技術・知識を必要とする業務の場合>
 :当該技術若しくは知識に関連する科目を専攻して大学(海外でも可・短大でも可)を卒業または日本の専修学校の専門課程を修了したこと。
※IT関連技術はのぞく。
 :十年以上の実務経験(大学等で関連する科目を専攻した期間を含む。)を有すること。
<国際業務に従事する場合>
:翻訳、通訳、語学の指導、広報、宣伝又は海外取引業務、服飾若しくは室内装飾に係るデザイン、商品開発その他これらに類似する業務に従事し、その業務について三年以上の実務経験を有すること。
※大学卒業者が翻訳、通訳又は語学の指導に従事する場合は実務経験なくても可
日本人と同等額以上の報酬が支払われること
④会社と外国人の間で雇用契約等の契約が結ばれていること
⑤雇用する会社の経営状態が安定的であること
⑥外国人が法令を遵守し犯罪等を起こしていないこと

■技術・人文知識・国際業務の在留期間は?

3か月または1年、3年、5年

■技術・人文知識・国際業務申請の必要書類は?

技術・人文知識・国際業務の申請に必要な書類は、雇用される企業の規模により異なります。
この企業規模を、入管法では「カテゴリー」と呼びます。カテゴリーについてはこちらをご参照ください。
技術・人文知識・国際業務の申請の必要書類は以下の通りです。

■在留資格認定or変更or更新許可申請書

①海外にいる場合日本への呼び寄せか、すでに日本にいる場合は他の在留資格の変更か在留期間の更新かにより各許可申請書(写真貼付)
②雇用理由書

■申請人の学歴等を証明する書類

③申請人の履歴書および職務経歴書(訳文付き) カテゴリー3,4
④申請人の大学卒業証明書(訳文付き)カテゴリー3,4
⑤申請人の大学成績証明書(訳文付き) カテゴリー3,4
⑥専門学校を卒業し、専門士又は高度専門士の称号を付与された者については、専門士又は高度専門士の称号を付与されたことを証明する文書
⑦職歴を証明するものとして、申請人の在籍した企業が発行した在職証明書(訳文付き)
⑧申請人の在職証明書を発行した企業の公的証明書(訳文付き)
⑨申請人のパスポートの写し
⑩申請人の在留カードの写し(変更・更新の場合)
⑪申請人の日本語コース終了証
⑫申請人の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)(更新の場合)

■所属企業のカテゴリーを証明する書類

⑬四季報の写し又は日本の証券取引所に上場していることを証明する文書(写し)(カテゴリー1)
⑭主務官庁から設立の許可を受けたことを証明する文書(写し)(カテゴリー1)
⑮高度専門職省令第1条第1項各号の表の特別加算の項の中欄イ又はロの対象企業(イノベーション創出企業)であることを証明する文書(例えば、補助金交付決定通知書の写し)(カテゴリー1)
⑯カテゴリー区分のカテゴリー1の「一定の条件を満たす企業等」であることを証明する文書(例えば、認定証等の写し)カテゴリー1
⑰前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるものの写し)カテゴリー2,3
⑱在留申請オンラインシステムに係る利用申出の承認を受けていることを証明する文書(利用申出に係る承認のお知らせメール等)カテゴリー2
⑲前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表を提出できない理由を明らかにする資料 カテゴリー3,4

■申請人の業務内容を明らかにする資料

⑳申請人との雇用契約書(英文及び訳文)カテゴリー3,4
㉑申請人が被派遣者の場合は申請人の派遣先での活動内容を明らかにする資料(労働条件通知書(雇用契約書)等)
㉒申請人の職務内容証明書 カテゴリー3,4
㉓申請人の就労予定事務所の間取り・写真等 カテゴリー3,4
㉔申請人の居住予定住居の写真 カテゴリー3,4
㉕雇用後の申請人の業務スケジュール表 カテゴリー3,4
㉖雇用後の申請人の研修計画書 カテゴリー3,4
㉗所属機関の外国人社員名簿一覧 カテゴリー3,4

■所属機関の事業内容に関する資料

㉘所属機関履歴事項全部証明書 カテゴリー3,4
㉙所属機関会社案内パンフレット等 カテゴリー3,4
㉚所属機関の業務が許認可が必要な業務であれば当該許可証の写し カテゴリー3,4
㉛所属機関直近年度の決算文書(貸借対照表・損益計算書)の写し カテゴリー3,4

■技術・人文知識・国際業務の申請手順は?

<海外から呼び寄せる場合>
1.入管に在留資格認定証明書交付申請
2.認定証明書が交付されたら(2~3か月かかる)、国際郵便で当該外国人に送付
3.当該外国人が現地の日本領事館で査証(VISA)を発給申請
4.3.の査証をもって来日
 
<すでに日本に居住している場合>
1.すでに技術・人文知識・国際業務の在留資格を持っている場合=変更は不要。
2.技術・人文知識・国際業務以外の在留資格からの変更手続き=変更申請が必要。
 :この場合、上陸許可基準適合性がチェックされます。
 

※転職した場合、技術・人文知識・国際業務は天候申請する必要がありませんが、転職・退職の時から14日以内に「契約機関との契約が終了した場合の届出」を、新しい会社が決まった時は「新たな契約機関と契約を締結した場合の届出」を提出しなければいけません。
これは、郵送またはインターネットで可能です。

■技術・人文知識・国際業務についての留意点

<単純労働はNG>
 技術・人文知識・国際業務は、高度な専門的知識をもとに自然科学や人文科学の領域に属する業務、国際業務を行うための在留資格です。
そのため、こうした専門的な知識を必要としない単純労働への就労はNGです。

 仮に業務の一部として単純労働が含まれる場合は、それだけでNGとされるわけではありませんが、全体的な業務量のバランスをもとに判断されます。
なお、ここでいうNGとは、在留期間更新の際にチェックされ、在留期間が短縮されたり、更新が許可されないことをいいます。

 また、高度な専門的知識を必要とする業務として就労した場合でも、研修の過程などで現場作業などを行う場合がありますが、この場合の現場作業は研修期間全体でのバランスによりますが、基本的には許容されます。