永住許可のメリットや申請要件、必要書類のほか、永住審査に関するトピックスをまとめました。


■審査期間

永住申請の審査期間は、おおむね5~10カ月かかります。

比較的短期間に取れるケースとしては、

明白に永住要件が満たされている(確認プロセスが少なくて済む)
永住要件を満たしていることを裏付ける書類に不備・不足がない

などがあげられます。

なお、審査状況を問い合わせても、入国管理局は、教えてくれません。
以前は、長くても6ヵ月程度といわれていましたが、令和元年以降、審査基準が厳格化され、提出書類が増えたこともあり、10ヵ月ほどかかる場合もあるようです。


■永住許可率

永住許可率は、管轄となる入国在留管理局にもよりますが、2015年までは70%以上でした。
しかし、2019年5月に「永住許可に関するガイドライン」が改正され、審査要件が厳格化されました。

具体的には、年収要件の審査対象が、過去3年間分から5年間分を対象となったこと、年金及び健康保険に関する提出書類が増え、また納付期日が守られているかなどがチェックされるようになりました。
その結果、2020年の許可率は、50.3%にまで低下しています。

これは、2019年4月1日に施行された改正「出入国管理法」の影響と思われます。
同改正により、「特定技能」資格が新設され、長年単純労働を受け入れないとしてきた従来の入管行政の方向性が大きく転換され、5年間で34万5千人の単純労働を新規に受け入れることとなりました。
もちろん、この背景には少子高齢化が進み、外国人労働者の労働力に依存せざるを得ない日本社会の現状があるわけですが、外国人労働者の増加が社会不安を招くのではないかとの批判にさらされた結果、外国人を長く日本に住まわせるための永住審査が厳格化されたものと考えられます。


■不許可時の対応

<不許可理由>

永住申請は、法務大臣による自由な裁量により許可・不許可が決定されます。
不許可になる場合は、下記の二点が原因として挙げられます。

1.そもそも永住許可申請要件を満たしていない
2.要件は満たしているが書類の不備・添付漏れで不許可

<対応> 

不許可になった場合は、上記の二つの観点をもとに、どこがダメだったのか、正確に把握する必要があります。
そのためには、入国管理局に出向き、不許可理由をヒアリングしましょう。
入国管理局では、一度に限り、不許可理由を教えてくれます。

入国管理局で不許可理由を聞くためには、まず永住申請要件をもう一度確認したうえで、最低限下記の項目を聞き出しましょう。

▢不許可になった理由は何か?
▢不許可になった理由は一つだけか?
▢再申請して許可される可能性はあるか?
▢不許可原因はどのようにしたら許可されるか?


ヒアリングをもとに、不許可原因を明らかにして、再申請に備えましょう。

なお、再申請にあたっては、前回の申請内容と矛盾点がないよう気を付けましょう。

ビザチャンネルでは、不許可になった場合の
■不許可理由の聞き取り
■再申請に向けたアドバイス
をサービスとする「リカバリープラン」をご用意しております。

「自分一人では何を聞いてよいかわからなかった」
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■永住許可の取り消し

 苦労して取得した永住許可であっても、下記の場合は取り消されることがあります。特に、再入国許可の期限切れについては、十分注意しましょう。

<取り消し要件>

1.虚偽・不正申請:以前の申請内容(最長10年前)と申請内容が合致しないと「虚偽申告」とみなされ、永住許可が取り消される場合があります。

2.再入国許可の有効期限切れ(みなし再入国許可の場合は1年間)

3.退去強制事由に該当するような行為(執行猶予は退去強制事由には該当せず)

4.入管法上の届け出義務違反など